ユリコースも今回で最後になりました。
最後を飾るのはユリの中でも最も美しいとされるカサブランカです。
真っ白な大輪の花を咲かせ甘美な香りがすることで「ユリの女王」とも呼ばれます。

カサブランカの花言葉
カサブランカの全般的な花言葉は、「純粋」、「無垢」、「祝福」、「高貴」、「壮大な美しさ」、「雄大な愛」、「威厳」、「甘美」です。
説明はいりませんね。カサブランカの風貌にピッタリな花言葉ばかりです。
カサブランカはこの花言葉と、花姿はゴージャスでありながら、
上品で高貴な印象ですので、花嫁のブーケなどにもよく使われています。

カサブランカの作り方
では、今回もカットから始めます。
花弁の生地はベンベルクデシンを使用し、大花弁、小花弁各12枚ずつカットします。
ベンベルグデシンは光沢があり、ちりめん風の生地です。
左右2枚重ねで中央を貼り合わせたものが花弁1枚になります。
つぼみもベルクデシンを使用し3枚カットします。
花芯のしべ軸用の生地はベンシルクです。
めしべ布は薄絹、おしべ布はモアです。
モアは表面が起毛しビロードより毛足が長くなっています。
葉は520サテンの固のり、茎布は新サテンです。
冠毛は新ポプリンです。

染め方
花弁は基部から中央へ縦長に若草をぼかします。
つぼみはグリーンを濃い目に基部から先にかけて刷きます。
しべ布はごく薄い若草を刷きます。
めしべ布は薄く若草とマロンで染めます。
おしべ布は薄いマロンで染めます。
葉と茎布は若草色で濃淡をつけ染めます。
冠毛は染めずに使います。

花弁の作り方
花弁は中央になる端の部分に両面テープを貼り、
ワイヤー30番を貼り数ミリ幅で折ります。
折り目の上に重ねるように左右反対の花弁を留めます。
さらに3枚の花弁を1枚目の花弁と重ねるように中央部分を留めます。
4枚目は端を内に折り2枚目と重ね、3枚目と左右対称になるように接着します。
指で基部と花べりを斜めに持って引きながらひねり、花弁に自然なうねりをつけます。
ウェーブに沿ってボンドをつけ、2枚を貼り合わせたら裁ち揃えます。
花弁に白の斑点を書き入れます。
冠毛は横糸を1㎝抜き、数ミリの糊代をつけて裁ちます。
同じように3本作ります。
糊代部分に筋ゴテをあて糸を立たせ、半分に切り、大花弁の基部に向かい合わせに貼ります。
花芯の作り方
しべ布は8㎜幅に裁ち斜頸ゴテに通し細い管状にし、
端に少量のボンドをつけ留め、めしべ用に11㎝1本とおしべ用に10㎝を6本用意します。
めしべはつぼみペップをワイヤーの先に紙テープで巻き留め、
めしべ布を被せて留め、めしべ軸に通し先端を貼ります。
おしべはおしべ軸にワイヤーを通し、先を細く巻き込み先端を1㎝折り曲げます。
おしべ布は2㎝×1㎝にカットし二つに折り、おしべ軸の先に被せて貼り角を丸く裁ちます。
めしべ軸の基部をステムテープで巻きふくらみをつけ、めしべを中心におしべ6本で囲み基部を接着します。
花のまとめ
花芯を中心に花弁大3枚で囲み、外側の間へ花弁小を3方から貼り、花の基部をややお椀型にくせをつけます。
葉はワイヤー24番を裏中央に貼り裏貼りをした後、筋ゴテで葉脈を入れます。
茎布はチューブに茎布の上部を少し出して縦巻きにします。
仕上げ
花にワイヤー21番を添えチューブに通し作っておいたつぼみと葉2枚を合わせ、
葉を輪生にさしさらにワイヤーで補強しながら仕上げます。
ユリコースの最後を飾るゴージャスなカサブランカが完成しました。


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